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ホステス

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そのクラブに通うようになってからもう10年近くなるだろうか。
最初は、上司に誘われて行っていたが、その上司が定年になってからは一人で行くようになった。
ママも馴染みとして接してくれるし、居心地がよい。ホステスたちも気さくでいい子たちばかりで、すぐ辞めていく子、店を移る子もいるが、たいていは長く勤めているからこっちも気心がしれて気が楽なのだ。
指名するのは「ゆかり」というホステスだ。もう30半ばになるだろうか。自分の店を持ちたいと一生懸命、健気に働いている。自分の娘と同じくらいの年だというのに、やはり水商売という特殊な世界にいるせいか、年齢を感じさせないし、生活感があまりなく、彼女とお酒を飲んでいると「自分はクラブにきて、ホステスと飲んでいる」という特別な気持ちになるのだ。そうすると、なぜか自分が偉大な人物で、徳の高い人間になったような気になる。
ホステスと特別な関係になり、愛人として囲う金持ちもいるが、私にはそこまでの経済力はないし、また一人のホステスの生活に立ち入る勇気はない。その時間だけ、特別な空間にいるだけでよいと思っている。
ゆかりの私生活は全く知らない。出身地すらしらない。
毎週、火曜か水曜にクラブに顔を出す。週末は忙しいだろうと、わざと週末には顔を出さない。他の客が大勢いて、雰囲気を壊されたくないからだ。
あるとき、ふらりと金曜の晩に行ったことがある。ゆかりは他の客についていた。だが、わざわざ席を外して私のところへ少し来て、いっぱいだけ水割りを飲んだ。その時、急に他の男と常に比べられているのだろうと思い当たり、気恥ずかしくなってしまい、長居せず店を出た。
営業のメールがあとでゆかりから届いたが、今までとは別の感情が芽生えてしまい、その店に行く回数がめっきり減ってしまった。別のクラブを探そうか、と思うのだが、いいホステスに巡り会える確率はそんなに高くないと思うと、なかなか気が進まない。やはり、自分の習慣を破るのは、私にとってもホステスにとっても良くないものだなと知った。
お父さん
愛人

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