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浩太とはもともと友達同士だ。今は「キスフレ」ってやつだけど。それでもやっぱり友達は友達かな。
古い付き合いなんだけど、どっちかといったら、自分がお姉さん気質で、浩太は弟気質だから、うまくやれてるんだと思う。
友達同士だと、キスフレになるまでの距離が長いというか、ハードルが高いというのか。今までと同じように友達として付き合えなくなるんじゃないかって、心配だったりもしたけど。
いつもは、私が浩太をリードして、イベントに行ったり、コンサートいったりする。食事するときも、お店の人を呼ぶのも、注文するのも私だったし。
確か、夏で一緒に花火大会に行った時だった。花火大会を最後まで見て、そのあと帰るときになって、電車が混んでたから、一駅歩こうかってことになった。
途中の公園で一休みして、そうしたら何人かが花火をしてた。それを見ながら、二人して黙ってたら、いきなり浩太が顔を近づけてきたんだ。
え？え？って思ってたスキにキスされたんだ。最初は、何とか逃げようとしてたんだけど、力が強くて、逃げられなくて、最終的には受け入れちゃった。
いつもの浩太じゃないみたいで、ドキッとした。
そのまま手をつないで歩き出したけど、二人とも何も言わなかった。
そして、駅についたら、なんかまた今度はどちらともなく、キスしたんだ。なんか、今までこうしなかったのが不思議なくらい、しっくりくるキスだった。
それ以来、会うときは必ずキスする。それ以上はまだだけど、今は友達？キスフレって関係がちょうどいいみたい。

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「いやーだ、色情狂なんて。ニンフォマニアって言ってよ」
オカマバーのホステス？が笑いながら言っていた。
オカマなんて書くと、みんな怒るだろうか。まぁ、ニューハーフ？　男に生まれ、女として生きている人たちだ。
自分がこのオカマバーに来るようになったのは、数年前だ。別にオカマが好きなわけでも、男が好きなわけでもない。
ただ、その当時は女というものが恐ろしくて、女性恐怖症のような感じだった。それを心配した友達が、手始めにオカマを相手にして「女」みたいなのに慣れておけと連れてきたのだった。
そして、そこのホステス？の本名は聡、雅名はキャンディーに入れ込んでしまった。
というか、食われてしまったわけだ。
「じゃ、ニンフォマニアでいいけど、あんた、見境ないから」ってママは言った。「ごめなさいね。キャンディーちゃん、笹山さんのことも食っちゃったんだってー？」って。
まぁ、このキャンディーちゃん、モノはまだついてたし。女と寝たという気にはなってない。だが、甘え方や媚態は女そのものだった。
男でもあるから、男の敏感なところは知り尽くしていて、快感を求めるなら、ニューハーフ？にお相手願うほうがよっぽどいい。
「キャンディーちゃんのこと、ニンフォマニアって言ったけど、この世界では別に異常ではないのよ」とママが言った。
「オカマになるような人なんて、みんな色情狂だし。あ、ニンフォマニアね」って。セックスしか考えられないような人しか、こういうところでは仕事しないから、だそうだ。

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