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自分はゲイで、物ごころついた時から、自分は一生家庭も持てないし、一人で生きるしかない人間だって自覚してたの。
親からも理解されないし、妹もいたけど、もう家では俺はいないものとして考えられているから、帰省するとか実家に遊びに行くとかもまったくないよ。
時々、親父が気にしてるのか、電話かけてくるけど、たいして話すこともないからね。
健康の話とか、そんなくらい。
なんだけど、俺、ある時に、ゲイの人と知り合ってさ。その人は、昔結婚してたんだけど、自分の性癖がバレて、奥さんに逃げられたんだってさ。
その人、俺よりかなり年上で、仕事も忙しいみたいで、「一応ゲイだけどもう現役じゃないね」なんて笑ってた。
それで時々ご飯一緒に食べたりする関係になって。
ほら、お互いゲイ同士って分かってるから、妙に遠慮することもないでしょ。
気心知れてるというか。そういう関係を続けていたんだけど、ある時、その人が自宅に招いてくれたんだよね。
手料理ごちそうするって。何でも田舎からいい地酒が届いたから、一緒に飲もうってさ。
それで休日の昼間から二人で飲んでたの。
居心地いいんだよね。俺も他人の家に上がり込むなんてめったにないからさ。
帰りたくなくなっちゃって。
やっぱり一人じゃないって、いいよね。誰かと一緒にいるって、素晴らしいことだよなって思ったね。
誰もいない暗い家に帰るのがイヤになっちゃって。
それ以来、その人の家に入り浸るようになって、なんとなく同居関係になってしまってる。
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